アスペルガー症候群について

アスペルガー症候群に関する参考書

「アスペルガー症候群」「アスペルガー障害」あるいは「高機能自閉症」という言葉を最近、よく耳にするようになりましたが、はたしてそれらがどのようなものなのか、またこれらの間にどういった違いがあるのかについて、正確に理解している人はおそらく少ないのではないかと思います。

まずは現在の日本において参考となる書籍を紹介します。
1.アスペルガー症候群と高機能自閉症に関する全般的な参考書
●『アスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004
●『ガイドブック・アスペルガー症候群・・・親と専門家のために』東京書籍1999
●『自閉症とアスペルガー症候群』東京書籍1996

2.養育、家族のための参考書
●『自閉症児の「きょうだい」のために』ナカニシヤ出版2003
●『高機能自閉症・アスペルガー症候群入門 正しい理解と対応のために』中央法規2002
●『高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て』中央法規2003

3.教育の問題についての参考書
●『親と先生のための自閉症講座・・・通常の学校で勉強するために』ナカニシヤ出版2000
●『すぐに役立つ自閉症児の特別支援Q&Aマニュアル・・・通常の学級の先生方のために』東京書籍2004

4.社会技能訓練および社会的介入に関する参考書
●『自閉症の人のライフサポート TEACCHプログラムに学ぶ』福村出版2001
●『困った子どもとのかかわり方 行動分析による新しい保育・教育』川島書店2000

[参照:『アスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店]

アスペルガー症候群をもつ人の自伝

アスペルガー症候群をもつ人たちは、自分の障害を周囲が理解していないがために多くの苦しみを負うことになる場合がよくあります。彼らの障害の特徴を理解するために、彼ら自身が筆を執るようになってきています。アスペルガー症候群をもつ人の自伝を読むことが、障害の特徴を理解する最も適切な手段となるのではないでしょうか?
以下にアスペルガー症候群や自閉症をもつ人たちによる自伝を幾つかご紹介します。

●『地球生まれの異星人自閉症者として、日本に生きる』花風社2003
●『アスペルガー的人生』東京書籍2002
●『自閉症だったわたしへ』新潮社1993
●『こころという名の贈り物続・自閉症だったわたしへ』新潮社1996
●『ドナの結婚自閉症だったわたしへ』新潮社2002
●『ずっと「普通」になりたかった』花風社2000
●『もう闇のなかにはいたくない 自閉症と闘う少年の日記』草思社1999
●『他の誰かになりたかった 多重人格から目覚めた自閉の少女の手記』花風社2004
●『ぼくのアスペルガー症候群 もっと知ってよ。ぼくらのことを』東京書籍2001
●『ぼくとクマと自閉症の仲間たち』花風社2003
●『変光星自閉症の少女に見えていた世界』花風社2004
●『平行線ある自閉症者の青年期の回想』ブレーン出版2002

また、アスペルガー症候群をもつ人たち、およびそのような人のご家族の方々のために、その行動と感覚の問題への対処法を述べた書籍もあります。
●『アスペルガー症候群と感覚敏感性への対処法』東京書籍2004

アスペルガー症候群関連用語

アスペルガー症候群は、まだまだ診断が難しい症候群です。紛らわしい「周辺用語」がたくさんあります。以下の関連がある用語をその定義とともにご紹介します。

●アスペルガー症候群:高機能自閉症のあるお子さんと似ていますが、症状はより少なく、年齢に相応の言語発達における問題はほとんど、あるいはまったくみられません。
●高機能自閉症:自閉症の定義には一致するのですが、正常な認知、学習能力をもっているお子さんをさします。言語の習得に最初は問題があったかもしれませんが、結局、その年齢相応に近いレベルで話すことができるようになります。

以上の「アスペルガー症候群」と「高機能自閉症」を含めて「高機能自閉症スペクトラム障害」と呼びます。
「高機能」とは、正常な知能とかなり優れた言語使用(表出言語)能力をもっていることを意味します。

「自閉症スペクトラム障害」の罹患率は、人口の0.6パーセントにおよび、それらのお子さんたちの3分の2から4分の3は高機能であると考えられます。
「自閉症スペクトラム障害」とは、「公汎性発達障害」(PDDs(pervasive developmental disorders)と同義語として用いられます。この自閉症スペクトラム障害のなかで最もよく見られるのが、「自閉症」です。
さらに、自閉症に良く似た行動が幾つか見られるものの、高機能自閉症の定義にも、アルペルガー症候群の定義にも一致しないお子さんの状態を「特定不能の公汎性発達障害」(PDD-NOS(pervasive developmental disorder not otherwise specified)と呼びます。

自閉症とアスペルガー症候群

アスペルガー症候群とよく比較、あるいは混同されて誤解を招くことが多いものに、「自閉症」があります。
自閉症とアスペルガー症候群とはどう違うのでしょうか?
●自閉症:「公汎性発達障害」PDDs(pervasive developmental disorders)の最も一般的で典型的なものをいいます。
重度の障害がみられる場合、たとえば、言葉を用いない、完全な無関心、非常に反復的から、多少社会的に不器用で、会話のスタイルに若干異状な面が見られ、何かに特別な関心をもつ、と言った軽症度の障害まで、その深刻さには幅があります。したがって、「自閉症」といった場合、低機能の自閉症から高機能の自閉症まで幅広い「スペクトラム」を形成しているということです・・・「自閉症スペクトラム障害」といわれる所以です。そして「高機能」の自閉症の状態を「高機能自閉症」といいます。アスペルガー症候群が、よく比較して取り上げられるのが、この「高機能自閉症」です。高機能自閉症は、自閉症スペクトラム障害のなかでは、正常な認知や学習能力をもっていて、言語の習得に遅れはあって、結局、年齢相応に近いレベルで話せるようになるお子さんたちです。一方、アスペルガー症候群は、さらに症状が少なく、言語発達にまったく、あるいはほとんど問題がないお子さんたちの状態をいいます。
ひと口に「発達障害」とくくってしまえないほど、その障害のレベルには幅があります。
特に、高機能自閉症やアスペルガー症候群があるお子さんの場合、その言語能力や認知能力、学習能力は問題がない、あるいはほとんどないのです。
キーワード一覧

* アスペルガー 特徴
* 便秘 解消
* 便秘 解消(2)
* 加齢臭
* 病気ウイルス 対策
* 糖尿病
* 腎臓病
* 腰痛(3)

DSM-4

アスペルガー症候群、自閉症、高機能自閉症、「公汎性発達障害」PDDs(pervasive developmental disorders)、「特定不能の公汎性発達障害」PDD-NOS(pervasive developmental disorder not otherwise specified)現在、お子さんの発達障害をめぐる世界は、診断基準が多いに揺れに揺れている状態です。専門家、この場合、小児精神科医、あるいは心理学者、心理カウンセラー、ということになるでしょうか、の間でも、しっかりと定まっていないのが現状です。同じお子さんが、診断を受ける機関、診断者によって異なる診断名を与えられることもあります。またお子さんの年齢があがるにつれて診断名が変わってきてしまった、ということもあるのです。さらに時代の変化に伴って、かつては自閉症としてひとくくりにされていたものが、現在では「自閉症スペクトラム障害」として低機能のものから、高機能のものまで幅があるものと認識されています。

それでも一応、世界的に診断のバイブルとして認知されているのが、アメリカ精神医学会の『精神疾患の分類と診断の手引き』(DSM)です。版を重ね、改訂を経て、現在は、その第4版DSM−4が一般的に用いられています。
『精神疾患の分類と診断の手引き』は、精神衛生の臨床医や研究者たちによって、次々に明らかにされていく新しい事実や知識を反映するために、5年から10年ごとに改訂されます。
したがって、みなさんのお子さんが、前の版と新たな版で診断が変わってきてしまうという可能性もあり得るのです。

DSM−4による自閉症の診断基準

アメリカ精神医学会の『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM-4では、自閉症の診断基準はどのように記されているのでしょうか?
[参照:『アスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店]
ただし、『精神疾患の分類と診断の手引き』では、アスペルガー症候群や自閉症という言葉を用いず「アスペルガー障害」「自閉性障害」という名称を用いています。これらの用語の間には何の違いもありません。

DSM-4の症状
『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM-4では、症状として大きく3つの分野を設けています。
1.社会相互作用における質的障害
2.コミュニケーションにおける質的な障害
3.行動、興味、および活動が限定され、反復的

そしてこれらの各領域についてそれぞれ具体的な症状とその例を示しています。

●社会相互作用における質的障害
1.対人的相互関係を調整する非言語性行動の使用の著明な障害
2.発達水準に相応の仲間関係をつくることができない
3.喜びや達成、または興味を他人と分かち合うことがほとんどない
4.社会的または情緒的相互作用の欠如

●コミュニケーションにおける質的な障害
1.話し言葉の発達の遅れ、または完全な欠如
2.会話を維持することが困難
3.不自然もしくは反復的な言語
4.発達水準に不相応な遊び

●行動、興味、および活動が限定され、反復的
1.興味が限定的に集中し、その程度や対象が、過剰に強烈かつ/または不自然
2.変わりがない、ということに頑なにこだわり、いつも同じ道筋をたどる
3.反復的で奇妙な運動
4.対象の一部に夢中になる

社会的相互作用の二つの症状

『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM−4では、自閉症の診断基準として次の3つの分野についてその症状と例をあげています:
1.社会相互作用における質的障害
2.コミュニケーションにおける質的な障害
3.行動、興味、および活動が限定され、反復的

このうち、1の「社会的相互作用における質的な障害」とは具体的にどのような症状をいうのでしょうか?『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004では、非常に丁寧にわかりやすく症状と例を挙げて説明しています。本書は、アスペルガー症候群と高機能自閉症について非常にわかりやすく概説し、専門家の方々から学校関係者、そして何よりも発達障害があるお子さんのご家族の方々にとってバイブル的存在となっている良書です。まずは、 DSM−4による自閉症の「社会相互作用における質的障害」のうち症状1と症状2については以下の通りです。

症状1対人的相互関係を調整する非言語性行動の使用の著明な障害

●他人の目を見つめることが困難。
●発話の最中に身振りをほとんど用いない。
●顔の表情が乏しい、もしくは不自然。
●他人との距離の取り方がわからない。
●イントネーションや声の質が不自然。

症状2発達水準に相応の仲間関係をつくることができない
●友だちがほとんどいないか、まったくいない。
●当の子どもよりもかなり年上が、逆にかなり年下の子ども、もしくは家族のメンバーとしか関係しない。
●特別な関心に主に基づいた関係
●集団内での相互作用やゲームの協力的なルールに従うことが困難

社会相互作用における質的障害の症状と例

DSM−4による自閉症の症状は、1.社会相互作用における質的障害、2.コミュニケーションにおける質的な障害、3.行動、興味、および活動が限定され、反復的があり、そのうち1の社会相互作用における質的障害とは、具体的に次の4つの症状を言います。1.対人的相互関係を調整する非言語性行動の使用の著明な障害、2.発達水準に相応の仲間関係をつくることができない、3.喜びや達成、または興味を他人と分かち合うことがほとんどない、4.社会的または情緒的相互作用の欠如

このうち、3と4の症状についてその例をあげてみます。
参考:『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004
症状3喜びや達成、または興味を他人と分かち合うことがほとんどない

●自分の好きな活動、テレビ番組、おもちゃをひとりで楽しみ、他の人間を巻き込もうとはしない。
●活動、興味もしくは成し遂げたことに他人の関心を引こうとしない。
●褒められることにほとんど関心がないか、反応しない。

症状4社会的または情緒的相互作用の欠如

●他人に反応しない;「耳が不自由にみえる」
●他人に対する自覚がない;他人の存在に「気がつかない」
●孤独な活動を強く好む。
●他人のけがや、調子が悪くても気づかない;慰めようとしない。

社会的相互作用とは、他人とのやりとりをすることを意味します。上記のような症状と例をみると、自閉症という障害のなかでその重症度に幅があるだろう、ということは容易に察しがつきます。そして何より、その最も軽症度の端には、「正常」に限りなく近い症状があるということもわかります。そもそも「孤独を好む正常な人」と、「孤独を好むことが障害と判断される人」の違いとはいったい何か、と首をかしげたくなるのではないでしょうか?

コミュニケーションにおける質的な障害

アスペルガー症候群や高機能自閉症、自閉症スペクトラム障害など、アスペルガー症候群およびその関連の障害は、現在、その診断基準が専門家のあいだでさえ揺れているのが現状です。
診断のバイブルといわれるアメリカ精神医学会の『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM−4では、アスペルガー症候群としばしば比較、混乱される、自閉症の診断基準の「コミュニケーションにおける質的な障害」として、次の4つを挙げています。その具体的な例をあげてみます(参考『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004)
1.話し言葉の発達の遅れ、または完全な欠如
2.会話を維持することが困難
3.不自然もしくは反復的な言語
4.発達水準に不相応な遊び

まずはこの1〜4の症状のうち、1と2のふたつについて、その具体的な例は以下の通りです。

症状1話し言葉の発達の遅れ、または完全な欠如
●2歳までに単語を用いたコミュニケーションを一切行わない。
●3歳までに簡単な句を用いることがまったくない。
●発話がみられるようになった後も、文法は未熟で間違いが繰り返される。

症状2会話を維持することが困難
●会話の開始、継続、あるいは終了の方法がわからない。
●話を前後させ、あれこれ話題を交えて語ることはほとんどない;会話を独り占めし延々と話し続ける。
●他人の発言に応じることができない。
●特別に関心のある話題以外の話をすることが困難。

これらの基準だけをみると、確かに「障害」であるようにも思われますが、「正常」との境がいかにあいまいか、また正常と限りなく近いところにある場合もあるということがわかるのではないでしょうか。
キーワード一覧

* アスペルガー 特徴
* 便秘 解消
* 便秘 解消(2)
* 加齢臭
* 病気ウイルス 対策
* 糖尿病
* 腎臓病
* 腰痛(3)

コミュニケーション障害の2つの症状と例

アメリカ精神医学会の定める『精神疾患の分類と診断の手引き』DSM−4では、しばしばアスペルガー症候群と関連、比較、混同される自閉症の診断基準を定めています。
まず、障害の分野を次の3つに分けています。1.生涯の社会相互作用における質的障害2.コミュニケーションにおける質的な障害3.行動、興味、および活動が限定され、反復的

そのうち、2.コミュニケーションにおける質的な障害として、1.話し言葉の発達の遅れ、または完全な欠如、2.会話を維持することが困難、3.不自然もしくは反復的な言語、4.発達水準に不相応な遊びを挙げています。この3と4についてのその症状の具体的な例を、『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004では、次のようにあげています。

症状3不自然もしくは反復的な言語
●他人に言われたことを繰り返す。(エコラリア反響言語)
●ビデオ、本、またはコマーシャルの言葉を不適切な時や文脈を無視して繰り返す。
●子どもが自分で作り上げた、もしくは自分にしかわからない特別な意味をもつ単語や語句を用いる。
●適度に形式ばり、学者ぶった発話スタイル(「小さな教授」のような口ぶり)。

症状4発達水準に不相応な遊び
●おもちゃを使った物まね遊びをほとんどしない。
●物を他の物に例えるごっこ遊びを滅多にしない(例:バナナを電話に例えるなど)
●おもちゃを何かに例えるのではなく、具象的に用いることを好む(ブロックを組み立てる、人形の家具を配置するなど)
●子どもが幼い場合、いないいないばあ、などのような社会性のある遊びにほとんど興味がない。

アスペルガー症候群についてリンク